II-7.外国株式投資(2) (為替先物取引と為替レート)
「外国株式投資」の第2回目の授業は「為替先物取引」の話からはいります。「為替先物取引」とは、「約定日の3営業日目以降に受渡しを行う外国為替の取引」を云います。この取引の話をするのは、それが「為替の変動予測」や「金利」に関係する重要な要素であるからです。
一般に金融商品には「無リスク」の商品間に「裁定取引」という価格メカニズムを想定します。「無リスク」の商品間に利益の差が生じないように価格が調整されるということです。「為替先物取引」は、「裁定取引」のメカニズムにより、2つの国の短期金利の水準の差の調整弁になるのです。これを「カバー付き金利平価」と呼びます。学生には、簡単な計算で手を動かしながら、学ばせます。
今回の講義の後半は、「為替レートの変動予測」です。情報が瞬時に共有され、取引も高頻度で発生する為替市場ですが、この市場を「完全競争的」という人はあまりいません。それは純粋に利潤目的で行う為替取引よりも、貿易や海外旅行などの実需に付随する為替取引のほうが多く、割安・割高状態が調整されるメカニズムが完全には働かないと考えられているからです。
ここでは、まず「カバー無し金利平価」の話からはいり、為替レートの予測に関係するいくつかの話題を紹介します。
「株式学習ゲーム」の状況確認は、今回は授業の最後です。この1か月の株式市場を、金融機関が発行したレポートを紹介し、振り返りました。
来週からは、学生に担当した投資戦略に縛られない自由な模擬売買をさせることとします。ただし学生には、今後の投資戦略と銘柄選択の方法について提出してもらいます。
https://kinyu-literacy.com/wp-content/uploads/2018/12/Equity_Investment_Theory_II_7.pdf