II-5.ファクター・モデル(2)

今期の株式学習ゲームのテーマは「投資戦略の体験」です。それぞれが担当する投資戦略のポートフォリオ構築にどのような銘柄選択基準を適用したか、学生の皆さんに提出してもらった資料の概要を紹介しました。景気敏感株投資やディフェンシブ株投資では「β」や「ボラティリティ」、小型株投資では「時価総額」、モメンタム投資では「騰落率」と期待した用語が並びました。その他にはPER、PBR、ROEなどの用語が目立ちました。
株式市場は、短期的に循環的な動きが続いているように見えます。他のファクターの挙動は見えにくいのですが、「β」は確実に日々の値動きにも影響しているようです。

さて、「ファクター・モデル」の2回目の講義は「マルチファクター・モデル」です。複数のファクターの挙動を同時に調べるには「重回帰分析」が有用で、実際に実務的な「マルチファクター・モデル」のほとんどは「重回帰分析」を適用して構築されています。
この種の統計的手法は、実際に使ったことがない限り、他の授業で聞いていたとしても頭に残っていないことがほとんどです。インターネット上に非常に分かりやすい説明がありましたので、拝借して改めて「重回帰分析」について説明します。

「マルチファクター・モデル」も「体質」「刺激」「反応」によって説明することができます。株価の挙動を説明するモデルですから、「反応」は株価の値上り・値下り、すなわち「リターン」に決まっています。問題は、「体質」と「刺激」をどう捉えるか?です。
事例を説明する前に、企業(株式)の性格を「体質」、経済動向を「刺激」として、株価の変化のイメージを示します。

本日の講義のハイライトは「マルチファクター・モデルの事例」です。大学の学問として株式投資論を学ぶのですから、統計分析に基づくモデルも避けて通れません。しかも、ここで紹介するモデルは、機関投資家の株式投資分析に実際に用いられているものです。
「体質」「刺激」「反応」および「重回帰分析」の視点を絡めて、いくつかの事例を説明します。

https://kinyu-literacy.com/wp-content/uploads/2018/12/Equity_Investment_Theory_II_5.pdf

 

 

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