II-1.後期の講義の概要、株式の投資戦略

後期の講義は、株式投資の専門実務に近いところまで踏み込んだ内容になります。
大きく分けて3つの分野を採り上げます。
その第1は「ファクターモデル」です。株式投資を科学的に行うためには、株式のリターンを形成する要因とその作用のモデル化が欠かせません。
第2の分野は「外国株式への投資」です。現在の日本国内の株式市場は世界の株式市場の10%にも届かない規模ですので、外国株式に目を向けることなしに企業の成長からの果実を十分に享受することはできません。そのためには為替取引の理論を学ぶことが不可欠です。
そして第3の分野はアクティブ運用とパッシブ運用の実務理論です。理論と共に、現実の運用例も見て行きます。

後期の第2回目は、東京証券取引所から講師をお招きして「ブルサ」というボードゲームを使った授業を行っていただきます。「ブルサ」は経済、市場、企業に関するニュースに株価がそのように反応するかを考え、株式の模擬売買を行うゲームです。後期の第1の課題である「ファクターモデル」に通じる要素の多いゲームなので、第3回目の授業に先立って、演習教材として取り入れることにしました。

「株式学習ゲーム」は後期でも重要な教材となります。「株式の投資戦略」を意識した模擬売買を通して株式市場のダイナミズムを体験してもらいます。
この講義を後期から受講する学生は「株式学習ゲーム」未体験です。それらの学生向けに簡略に「株式学習ゲーム」の機能の説明をし、その後に今期の課題を発表します。

今期の課題は「投資戦略ポートフォリオの運用」です。特定の属性に焦点を当てたポートフォリオ構築を体験し、他の学生のポートフォリオと比較して、その株価動向の特性を学ぶのが目的です。

今期に学生に挑戦してもらう投資戦略として7つの戦略を挙げました。
それぞれの戦略の紹介をした上で、学生に自分が挑戦してみたい戦略を投票してもらいます。各戦略に人数が散らばるように、希望が多すぎる戦略は第2希望などに振り分け、エントリーシートを確定します。

後期初回の講義の最後は、投資戦略に沿った銘柄を検索するツールの紹介です。インターネット上には様々な検索ツールがありますが、ユーザー登録なしですぐに使えるものとして3つのツールを学生に紹介し、スマホやPCから実際に試させます。
こうした検索ツールは便利でありがたいのですが、デイトレーダー向けのものがほとんどで、長期投資の銘柄選択には使いづらい面もあります。学生にはその辺を注意して使うようにアドバイスします。

https://kinyu-literacy.com/wp-content/uploads/2018/11/Equity_Investment_Theory_II_1.pdf

 

 

 

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