I-6.株式のポートフォリオとパフォーマンス
前回の講義で「資本異動と株価の関係」を、理論株価がどう変化するのかということを中心に説明しました。第6回の講義の冒頭は、その復習です。資本異動があると、実績の株価は見かけ上大きな変化をすることがあります。それを株価の値上りや値下りと単純に捉えてしまうと、大きな間違いに繋がります。
資本異動による株価変化を調整した過去の株価が「日経会社情報DIGITAL」のサイトで見られることを紹介したら、これに続き、各自が「株式学習ゲーム」で模擬投資している銘柄の過去の株価を調査する演習です。自分が選んだ銘柄の株価が過去にどのように変化してきたかを見ると、5銘柄のそれぞれが異なったパターンで推移してきたことが分かります。もし2014年末に現在と同じポートフォリオを持っていたら、自分の資産額合計が何%増えたのか、あるいは減ったのかも確認します。
第6回目の授業の後半は、「ポートフォリオの実績リターンの計算」です。個人投資家で「昨年の自分のポートフォリオの実績リターンはXX%」だったと把握している人がはたしてどれくらいいるでしょうか? 証券会社で特定口座を持っていても、「何%」とまでは教えてくれません。せめて私の講座の受講者には「自分のポートフォリオのパフォーマンスは自分で計算できる」ようになってもらいたいと思っています。
特に「年率リターン」の計算は重要です。金利、GDP成長率、物価上昇率など、年率で表示されるのが慣習となっている統計指標は多く、それらとの比較の上でも、株式のリターンを年率で捉えることは有用です。計算式が多く、聞いているだけでは退屈な内容ですので、穴埋めや計算問題で自分の手を動かして確認させるようにします。
https://kinyu-literacy.com/wp-content/uploads/2018/08/Equity_Investment_Theory_6.pdf